今回、訪れるのは愛知県の豊川稲荷。
ここは全国に3万社あると言われているお稲荷さんの2トップのひとつ。京都の伏見稲荷大社と並んで二大稲荷とされています。
お稲荷さんは古代から崇められてきた五穀豊穣、商売繁盛の神様。狐の像や千本鳥居など、一目でわかる特徴があります。
中でも豊川稲荷は1,000体以上もの狐像が集まるパワースポット「霊狐塚」が有名です。
豊川稲荷へのアクセス
豊川稲荷は愛知県の東部に位置しています。渥美半島の付け根にあり、名古屋からは東名高速で約1時間の距離です。
東名豊川ICからは約10分。参拝者用の駐車場はバイクの受け入れもしていて、料金は時間制限なしの1回300円です。(2024年12月現在)

駐車場から境内の入口までは少し歩きますが、バイクを安心して停められる場所があるのはありがたいです。
行く前に知っておこう
お稲荷さんはキツネにあらず

お稲荷さんは「ウカノミタマ」という日本神話に登場する五穀の神。「稲が成る」が転じて「稲荷」になったとか。
狐の姿をした神様と思われがちですが、実はそうではありません。狐はこの神様のお告げを人間に伝える連絡係、いわば神の遣いです。
古くからの信仰の中で、神様と人間をつなぐ立場の狐がいつしか神様と同一視されたみたいですね。

ちなみにこの狐のような神の遣いは「神使」と呼ばれ、動物に限られるそうです。たしかに、天満宮はウシ、八幡宮はハト、春日はシカと、それぞれ動物と結びついています。
神社によってマスコット動物が設定されているので、神社に行くときはどんな動物が採用(?)されているか見てみると面白いです。
じつはお寺

先にネタばらしですが、豊川稲荷は円福山豊川閣妙厳寺(えんぷくざん とよかわかく みょうごんじ)と称する曹洞宗の寺院です。
「どうしてお稲荷さんがお寺に?」と思ったので調べてみました。
このお寺でお祀りしているのは「豐川吒枳尼眞天」(とよかわだきにしんてん)という仏教における神様。

仏教には「天部」というカテゴリがあり、これは仏様が神様の姿で現れたものとされています。たとえば、帝釈天、毘沙門天、弁財天など、名前の末尾に「天」の付く存在がここに属しています。
もともとはインドの民間信仰から仏教に取り入れられた神様ですが、日本では同じく民間信仰のお稲荷さんと結びついたそうで、よく狐に乗った姿で描かれます。
仏教が日本に広まっていく過程で神道や民間信仰の神が融合されていったそうで、これを「神仏習合」といいます。
くわしく説明すると本題からはずれるので割愛しますが、知っておくと寺社仏閣めぐりがさらに面白くなりますよ。
お寺の中に神社がある

「豊川稲荷」と書かれた大きな石柱を横に立派な門をくぐり抜けると、正面に小ぶりな門が見えます。
これは「山門」。いわゆるお寺の入り口です。山門の先は社務所になっていて、本殿に行くには左の方へ曲がっていきます。

やがて鳥居と狛犬ならぬ狛狐が見えてきて、この先は神社の雰囲気。しばらく進むとお札やお守りの販売所もあります。


本殿に近づくにつれて、その大きさに驚きます。まるでお城の天守のような重厚感。建物の中には大きな提灯があります。

普通の神社なら「二礼二拍手一礼」でお参りしますが、ここは仏教の神様なので柏手は不要です。静かに合掌して「ナム トヨカワ ダキニテンシン、 オン シラバッタ ニリウン ソワカ」と唱えます。
どうしてそんなことを知っているのかというと、本殿の柱に大きく掲げられているから。お参りの前に覚えておきましょう。

パワースポット 霊狐塚
本殿に向かって右の方に抜けていくと奥の院、さらにその奥が霊狐塚です。

再び鳥居と狐像が現れ、参道の両側にはびっしりと幟(のぼり)が並んでいます。

通称「千本幟」といわれるこの風景。幟は参拝者が奉納したもので、一つ一つに目をやると献上者の名前が書かれています。個人だけでなく、法人の名前も多く見られます。さすがは商売繁盛の神様です。

千本幟の参道を最後まで進んでいくと、やがて霊狐塚の石碑が見えてきて空気が一変します。

そこには圧倒的な数の狐像。この一角は高い木々に囲まれていて日中でも薄暗いのですが、鮮やかな赤の前掛けのせいか、一体一体が浮き上がって見えてきます。

霊狐塚は祈願成就のお礼として狐像が奉納され始めたのが始まりだそう。
その数は現在1,000体にもおよびます。ちなみに、現在でも奉納は受け付けているので今も増えていってるかも。



門前町を散策

人々が集まる大きなお寺の前には自然と門前町が形成されます。豊川稲荷もその名残があるので散策してみましょう。
豊川稲荷の正面から延びる表参道は「なつかし青春商店街」。200mほどの通りには昭和レトロな雰囲気が漂っています。

ホーロー看板やリアルに昭和からやっていそうなお店が点在しているので、街の風景を楽しみながら散策できます。

あと、見逃せないのがいなり寿司です。
さすがはお稲荷さんのお膝元だけあって、いなり寿司を提供する飲食店が多く見かけられます。

いなり寿司だけでこんなに選べてしまうのも豊川稲荷ならでは。食べ歩きができるスタンド形式のお店もあり、味のバリエーションも豊富です。
まとめ

豊川稲荷はお寺と神社が融合したなんとも不思議な場所。
しかし、これまで気づいてないだけで、こういった場所は全国にたくさんあるようです。「神仏習合」というキーワードを知っておくと、今後の寺社仏閣めぐりが面白くなります。
また、近くには浜名湖や伊良湖岬などのツーリングスポットがあります。出かけた際は、豊川稲荷で商売繁盛だけでなく、旅の安全も祈願しに行きましょう。
コメント