2025年のSSTRのレポートです。
昨年は能登半島地震の影響で開催が10月に延期されましたが、今年はまた例年どおり5月開催となりました。やはり日照時間が長い時期でないと存分に楽しめませんからね。

また、前回からわずか7か月で例年どおりの開催としてくれた運営の皆様と、まだ復興の最中にもかかわらず、大勢のライダーを受け入れてくださる地元の方々に感謝です。
SSTRになじみがない方は、細かいルールやノウハウを以下の記事でまとめていますのでどうぞ。
- 2025年のルール
- 目標は能登半島で10カ所立ち寄り
- ルート計画
- 2年連続の雨
- SSTR出走中
- スタート|三重県四日市市 富双緑地 (4:45)
- 先手必勝!指定道の駅まで移動|道の駅 越前たけふ (6:53)
- 指定応援ポイント1|道の駅 内灘サンセットパーク (9:02)
- 指定応援ポイント2|道の駅 ころ柿の里・しか (10:04)
- 指定応援ポイント3|道の駅 とぎ海街道 (10:40)
- 指定応援ポイント4|道の駅 赤神 (11:13)
- 指定応援ポイント5|道の駅 輪島(ふらっと訪夢) (12:51)
- 指定応援ポイント6|道の駅 桜峠 (13:48)
- 指定応援ポイント7|道の駅 のと里山空港 (14:10)
- 指定応援ポイント8|道の駅 あなみず (14:53)
- 指定応援ポイント9|道の駅 なかじまロマン峠 (15:35)
- 指定応援ポイント10|道の駅 織姫の里なかと (16:15)
- ゴール
- まとめ
2025年のルール

昨年からの大きな変更点は次の2つ。昨年が特別だったのでむしろ今年の方が例年どおりという印象です。
クリア条件の点数が12点以上から15点以上へ
3点増えましたが、昨年は10月開催で日照時間の関係から12点だったので、むしろ例年どおりです。
クリア条件に指定能登半島地震被災地応援ポイント
このルールは実は昨年も設定されていたのですが、夏の豪雨災害の影響により開催直前で撤廃されました。今年はこのルールが適用されます。
これは昨年からですが、「被災地の復興支援につながる形での開催」ということで次の2つの立ち寄りポイントが追加されています。
- 指定能登半島地震被災地応援ポイント(3点)
- 自然災害伝承碑ポイント(1点)
指定能登半島地震被災地応援ポイントに立ち寄った際は、食事や買い物をして地域経済の一助となりましょう。

目標は能登半島で10カ所立ち寄り

今回の目標は「指定能登半島地震被災地応援ポイント10カ所以上立ち寄り」。
実はこれ、SSTRの追加ルールにも設定されているものです。追加ルールとは「完走条件ではないけど、通常のルールでは物足りない人はチャレンジしてね」というもの。
「被災地応援」の名が示すとおり、できるだけ多くの場所に立ち寄って能登半島を応援します。
ルールブックでは難易度が最高の★3つ。ちなみに、追加ルールをクリアするとスペシャルデザインの完走記録証がダウンロードできます。

ルート計画
出発は例年通り東海地方からにします。能登半島までの道のりが約300kmで、今回はここから10カ所のポイントをめぐるとだいたい500kmぐらい。

指定能登半島地震被災地応援ポイントは1ヶ所3点なので10カ所で30点。クリア条件の15点以上は余裕でクリアできます。
ただ、指定道の駅への立ち寄りが必要です。
昨年まではゴールから比較的近い場所で最後に立ち寄れましたが、今年の石川県、富山県の指定道の駅はゴールから50km以上離れています。

今回は能登半島をめぐるので、石川県までは最短ルートを取ります。指定道の駅はそのルート上にある福井県の「越前たけふ」で決定です。
あとは、スタート地点。
福井県側を通るので、北陸自動車道にアクセスしやすいところを探します。三重県四日市市に海を東に臨む公園があるのでここに決めました。
2年連続の雨

出走1週間前から毎日天気をチェックするものの、雨マークが一度もはずれることがなく当日朝を迎えます。
朝日も夕焼けも期待できないけど、今年も覚悟を決めて雨の中走ります。
SSTR出走中
スタート|三重県四日市市 富双緑地 (4:45)

日の出時刻の15分前に到着。すでに何人かのライダーが待機しています。
ここは海をバックにしてスタートできるので、わりと定番のスタート地点なのかもしれません。
空には一面の厚い雲。このあと確実に雨に降られるので、「出発時点で降ってないだけまだマシ」と自分に言い聞かせます。
日の出時刻の4:44を過ぎたことを確認してから、SSTRシステムのスタート地点登録。
いよいよ今年のSSTRのスタートです。
先手必勝!指定道の駅まで移動|道の駅 越前たけふ (6:53)

今回の目標は「指定能登半島地震被災地応援ポイント10カ所以上立ち寄り」。
能登半島での時間をできるだけ増やすため、一気に北上して行きます。
R258から名神高速 養老IC、そして北陸道に接続して福井県へ。まずは指定道の駅を押さえに行きます。
この間、道の駅やSA、PAはたくさんありますが、序盤は脇目もふらずとにかく北上。
得点は能登半島の指定応援ポイントで挽回できるので今は移動に専念します。

「越前たけふ」に到着するとすでに何人かのSSTRライダーがいました。
どうやら同じように能登半島をめぐるライダーようです。バイクや装備品などから、旅慣れしている人が多い印象です。
本日最初の地点登録で3点を獲得。スタートから150km走ってようやく最初の得点です。
指定応援ポイント1|道の駅 内灘サンセットパーク (9:02)

北陸道を北上することさらに約100km。石川県に入り、早くも日本海が見えてきます。
ほどなく「内灘サンセットパーク」に到着。ここは指定応援ポイントでは最南端に位置する道の駅です。
ここでちょっとコーヒーブレイクと思ったけど、まだ能登半島の入り口に来たばかり。
雨雲はもうすぐそこまで迫ってきているのでもう少し頑張って移動します。

指定応援ポイント2|道の駅 ころ柿の里・しか (10:04)

ここからはいよいよ能登半島ツーリング。
1時間ほど走って、道の駅 「ころ柿の里・しか」に到着。
「ころ柿」とは高級干し柿の名前。なんでも柿の向きをコロコロと変えて乾燥させることに由来しているとか。
「ころ柿」は味わえなかったけど、ここではSSTRの「志賀町限定ステッカー」をいただきました。
まだ雨が降る気配はありませんが、ここでレインウェアを装着して出発。
10時台にはゴール地点の千里浜付近を通過していきます。

指定応援ポイント3|道の駅 とぎ海街道 (10:40)

ふたたび30分ほど走って道の駅「とぎ海街道」へ。ここは「世界一長いベンチ」がある道の駅。
全長460.9m、1989年(平成元年)にギネスブック登録されて2025年現在も世界一です。

ここでもまだ雨は降ってません。輪島あたりまでなんとか持ってくれればと願いつつ、次へ向かいます。
指定応援ポイント4|道の駅 赤神 (11:13)

ちょうど輪島市に入ったあたりからシールドに雨粒。
「ついに降り出したか」と思うと同時に道の駅「赤神」に到着です。
ここは海沿いにある小さな道の駅ですが、ライダーへの歓迎ぶりが熱烈。
なぜなら、輪島市は「ライダーを笑顔で歓迎する都市」の宣言をしていて、ここはその拠点なのです。
屋根付き駐輪場が整備されていて、SSTR総合プロデューサー風間深志氏の車両展示などもあります。

少し早いけど、ここでランチタイム。SSTR参加者特典として輪島塗のカップで無料の淹れたてコーヒーとオリジナルステッカーをいただきました。

このあと、道の駅「赤神」を出発してからはずっと雨。路面も完全にウェットです。
次の目的地は輪島市の中心部にある道の駅「輪島(ふらっと訪夢)」。
本来はR249で行けますが、一部通行止め区間があって狭い峠道を迂回しなければなりません。
この雨でのワインディングは避けたいので、少し時間はかかるけど県道7号と1号とつないで向かいます。

指定応援ポイント5|道の駅 輪島(ふらっと訪夢) (12:51)

輪島市街地に入ってくると地震の被害の大きさが伝わってきます。
道路はいたるところが起伏していて、中にはアスファルトが割けている所も。
また、ブルーシートに覆われた建物と真新しい仮設住宅と思われる建物が入り混じる風景はなんとも言えない気持ちになります。

そんな状況ですがお店は元気に営業中。わじま観光案内センターでSSTR参加者特典の「まぁりんタオル」をもらいました。

指定応援ポイント6|道の駅 桜峠 (13:48)

指定応援ポイント10ヶ所立ち寄りまで残り半分。6ヶ所目は道の駅「桜峠」です。
ここから珠洲市方面まで行ければと思っていたけど、このペースではもう無理そうです。
そこで、プランを変更してここで折り返すことにします。
千里浜に向かいつつ、あと4つの指定応援ポイントをめぐって時間内でのゴールを目指します。

指定応援ポイント7|道の駅 のと里山空港 (14:10)

道の駅「のと里山空港」は空港のターミナルビル内にある珍しい道の駅。
ターミナルビルのちょっと先にあるスペースにバイクを停めて行きます。
空港内をずぶ濡れのレインウェアでうろつくのはちょっと迷惑かと思ったので脱いでおきます。

1000円以上のお買い物でオリジナルステッカーがもらえるということで、ここでお土産を調達。
レインウェアも脱いでるし、時間があれば空港の雰囲気も楽しみたいけど、まだ先があるのでほどほどに切り上げます。

指定応援ポイント8|道の駅 あなみず (14:53)

15分ほど南下して穴水市内の道の駅「あなみず」へ。
なんだかステッカー集めの旅のようになってきましたが、ここでもオリジナルステッカーがもらえます。

デザインされているのは「ボラ待ちやぐら」。 やぐらの上で人が見張っていて、魚の群れが仕掛けた網に入ったら引き上げるという古来の漁法です。
市内のR249号沿いにある根木ポケットパーク付近で観光用に再現されたやぐらを見ることができます。
指定応援ポイント9|道の駅 なかじまロマン峠 (15:35)

指定応援ポイント10カ所立ち寄りまであと2つ。ラストひとつ前は道の駅「なかじまロマン峠」。
雨は収まることなく降り続いていて、ここにきて若干疲れが見えはじめます。
出発からすでに11時間。しかも、ここ数時間は雨に降られっぱなしなので無理もありません。
いつの間にかレインウェアの裾がめくれていて、ブーツカバーの間から靴に浸水。一気にテンションが下がります。
指定応援ポイント10|道の駅 織姫の里なかと (16:15)

ついに「指定能登半島地震被災地応援ポイント10カ所以上立ち寄り」を達成。
雨じゃなければもう1時間ぐらいは早かったかもしれないけど、それでも制限時間の日没までにはゴールできそうです。
セルフサービスでオリジナルステッカーの配布をやってました。デザインされているのはこの道の駅のキャラクター「おりひめ」です。

ゴール
SSTR2025ゴール|千里浜なぎさドライブウェイ (17:14)

17時過ぎに千里浜なぎさドライブウェイに到着。雨脚が少し強くなってきました。
今回は達成感というより、ゴールできた安堵感の方が強いです。しばらく砂浜をウイニングランしたあと、脇に寄せてゴール地点の登録。無事完走です。

晴れていれば夕日を眺めつつゴールの余韻にひたるところですが、この雨なので早々にフィニッシュゲートへ向かいます。
フィニッシュゲート手前は写真撮影で一列縦隊なるため渋滞気味。ここはみんなが譲り合って整然と一列になっていきます。参加者同士の連帯感が感じられるとてもやさしい時間です。

今回も夕日は拝めませんでしたが、砂浜を走ってフィニッシュゲートをくぐれるだけでもまだマシです。なんせ、去年は通行止めで千里浜なぎさドライブウェイに入ることすらできなかったので…
ゴール会場へ

例年のごとく、ゴール後の駐輪場はバイクの轟音が鳴り響いています。雨の中、これだけのバイクが出入りしている状況はSSTRでしか見られないでしょう。
開場までは約500mの徒歩移動。雨ということもあり、ヘルメットを被ったまま向かう人も多くいます。

ゴール会場行きのシャトルバスもありますが、待ち時間を考えると歩いて行くのとそう変わらないかも。

いつものように記念品(フィニッシャーズバッヂ)の受け取りから。昨年まではゼッケン番号ごとに窓口が分かれていましたが、今年からはどの窓口でも対応してくれるようです。
無事、記念品を受け取って展示ブースをぶらつきます。ひとしきり回ってゴールを実感したところで今年のSSTRはおしまい。雨の砂浜で足元はすでにグチャグチャです…

まとめ

今回の走行距離は513km。能登半島まで最短コースで約300km、そこから半島内が約200kmです。
この雨の中、難易度★3つの追加ルールを達成できたことはとても自信になります。
最後に、能登半島を走っていて気付いた点があるので、これから行く人は次の点に気を付けてください。
段差に注意

地震の影響で路面の凹凸が激しくなっています。
特に橋の入口と出口は注意が必要です。振動の影響で地表面が沈み、橋が浮き上がったような状態になっています。
盛り土で補修はされているものの、橋の入口では突き上げられるような感覚があり、出口では落ちるように感じます。
橋の手前ではスローダウンを心がけましょう。オーバースピードで進入するとマシンが跳ね上がって危険です。
片側相互通行が多い

現在も復興工事が進行中のため、いたる場所が片側相互通行になっています。
焦って先行車を無理に追い越しても、すぐ先の工事信号で止められます。
そんなリスクを冒すより工事信号で停まっているときに前に出るほうが安全です。
ダンプカーは復興車両

ダンプカーがたくさん走っていますが、これらは復興を支える大切な車両。
復興に尽力するドライバーの方々へ敬意を払い、道を譲る、無理な追い越しをしないなどの配慮を心掛けましょう。
「能登半島を走らせてもらっている」という謙虚な気持ちで行きましょう。
SSTRという時間制限のある中での旅だったので、ほとんど道の駅めぐりみたいになってしまいましたが、今度はSSTR以外でのんびりと能登半島を旅したいと思います。
復興にはまだ時間がかかると思いますが、次に行ったときには今回よりも美しい風景がよみがえっていることに期待しています。
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