トレーラーハウスに泊まってみよう

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コロナ禍以降、よく見かけるようになったトレーラーハウス。最近は宿泊施設でも見かけるようになりました。今回はトレーラーハウスの宿がどんな感じかを確かめるため群馬県へ出かけました。

トレーラーハウスとは?

文字通り、トレーラーのように牽引することができる建物です。エンジンがついていないのでキャンピングカーのように自走はできませんが、土台部分には車輪が付いていて、好きな場所に移動することができます。

法律上は車両として扱われるので、建築物としての規制がなく、税制面でも有利なことから、近年はキャンプ場やリゾート地などで宿泊施設として活用されるようになってきました。

キャンピングカーよりも広い居住空間を持ち、電気や上下水道を外部から接続できるので従来の宿泊施設に引けを取らない設備を持つことができます。

トレイルイン トレーラーハウスシリーズ

トレイルインは北関東を中心に10店舗を展開するホテルチェーンです。(2023年11月現在)

各施設ともに20室前後のトレーラーハウスが設置されています。パチンコ屋の敷地内や工場や倉庫が立ち並ぶエリアなど、「え、こんなところに?」という場所にあることが多く、車やバイクでのアクセスが前提となります。

運営会社は地域の特徴を生かしたホテル運営を掲げていて、トレーラーハウスの他にも、鉄道車両やコンテナを利用したとてもユニークな宿泊施設も持っています。

今回利用したのは群馬県にあるトレイルイン藤岡高崎。繁華街からは少し離れた場所に位置していますが、同じ敷地内にコンビニ、通りを挟んだ向かいにはドラッグストアがあって便利な立地です。

予約する

じゃらんや楽天トラベルなどの旅行サイトでも予約はできますが、トレイルインのホームページには「本サイトからのご予約が最安値で予約可能です」という記載があります。

たしかにホームページからの予約には「インターネット料金」という設定があり、数百円安くなるようです。

予約は宿泊施設、宿泊日を選んで必要事項を入力する一般的なやり方で特に迷うことはありません。繰り返し利用するつもりがあれば会員登録をしておくと入力の手間が省けます。

支払いはクレジットカードの一択。セルフチェックインを採用しているので事前決済となります。なお、旅行サイトから予約する場合は、楽天トラベルがおすすめ。他のサイトよりも多く部屋が割り当てられているようです。

チェックイン

それでは利用方法について見ていきましょう。基本的に無人なので初めて利用するときは戸惑いますが、そこまで難しいものではありません。

トレイルインに到着したら、まず管理棟を探しましょう。

こちらが管理棟。宿泊棟とは雰囲気が違うのですぐにわかります。

一見、同じようなコンテナが立ち並んでいるように見えますが、一つだけ様子が違う建屋があります。敷地内に入ってすぐに見える場所か、施設内の中央あたりにあることが多いです。

夜に到着した場合は、一棟だけ明かりが多く出ているのですぐわかります。

まずは管理棟の付近に車両を停めましょう。予約時点ではどの部屋が割り当てられているかわからないため、後でまた移動することになるからです。

管理棟に入ると小さなカウンターがあり、そこにタブレットが置いてあります。チェックインはこのタブレットで行います。

セルフチェックイン方式なので人は常駐していません。

手続きは名前または予約番号を入力するか、QRコードの読み取りから始めます。

予約が確認されると確認画面が表示されます。ここでは顔写真を撮影します。画面のカメラ映像枠に顔をあわせてパチリ。

次は宿泊者カードの記入です。備え付けのペンでタブレットへ書き込みます。

チェックインが完了すると、部屋番号が書かれたレシートが出てきます。横にある機械からカードキーが出てくるのでそれを受け取ったら手続き完了です。

施設によっては暗証番号方式の鍵の場合もあるので、その際は画面に表示される番号をスマホで撮影しておくと安心です。

カウンターにある案内板で自分が泊まる部屋の場所を調べてから移動します。

駐車場は共用のため、先客がいると部屋の目の前に停められない場合もありますが、さほど苦になる距離ではありませんし、バイクなら空きスペースになんとか収まるかもしれません。

なお、チェックインは24時間可能ですが、15:00から22:00の間でのチェックインが推奨されています。

宿泊スペース

まずは外観から見ていきましょう。

1棟ごとに車輪が付いていて移動できるようになっています。

色や形から一見、船のコンテナを再利用しているように見えますが、よく見るとトレーラーハウス専用に設計されています。

土台部分は台車になっていて、移動できるようにタイヤが付いています。タイヤは浮いていて、専用の足で支えらえているので安定感もありそうです。

台車分の高さがあるので入口へのアプローチは階段になっています。今回はこの階段横にバイクを停めました。部屋からすぐなので、荷物の出し入れがとても楽です。

入口横には洗濯機と物干し台が備え付けられていて、長期滞在にも対応しています。

洗濯機と物干し台も完備。

ドアにはカード―キーの読み取り機があります。ちなみに、このドアはオートロックではないので、出かけるときは再びカードキーをかざしてロックする必要があります。

それでは室内に入っていきます。

部屋の広さは10㎡ぐらい。やや狭めのビジネスホテルといったところです。

部屋全体は木の板(コンパネ)で囲まれていて、なんとなく温かみのある雰囲気。窓も付いていて、外気や光を取り込めるので閉塞感はさほど感じません。

部屋の奥はベッドスペースになっています。広さは十分で、背が高い人でもゆったりと横になれそうです。

ベッド脇にはデスクがあり、食事やちょっとした作業はここでできるようになっています。

電気スタンド、目覚まし時計もあります。

コンセントやLANケーブルスロットはデスクの高さにあって、仕事で泊まる際も便利。無線LANはもちろん、テレビ、エアコンも完備です。

キッチンとバスルームも部屋の中にあります。

キッチンはシンクに冷蔵庫、電子レンジ、湯沸かしポット、IHクッキングヒーターが置かれていて、まるで一人暮らしの台所のようです。

ちょっとした料理なら作れそうですが、調理器具や食器は自分で用意する必要があります。

バスルームはまだ新しいこともあってとてもきれい。一般的なユニットバスの設備が整っていて、シャワーの水勢もまったく問題ありません。

浴槽はやや小さいけど、お風呂に浸かれるというだけでもありがたいです。ちなみにトイレも温水洗浄便座付きでとても快適。

サービス

タオル、歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリ、ナイロンタオルなどの一般的なアメニティーはあります。管理棟に行けば補充もできるので連泊でも安心です。

一通りの備品は部屋にありますが、管理棟で補充もできます。

バスルームにはフェイスソープ、ボディーソープ、シャンプー、コンディショナーが用意されています。

ルームウェアも置いているので部屋でもゆったりくつろげます。

シーツと同じ色でわかりにくいですが、作務衣タイプのルームウェアです。

館内限定のマンガ読み放題サービスなんていうのもあります。

無料で読めるのはありがたいけど、旅先での夜更かしは翌日に影響するのでほどほどに。

また、ツーリングで利用する機会は少ないでしょうが、デイユースも可能です。

チェックアウト

チェックアウトは10:00まで。荷物をまとめ終えたら管理棟に行きます。なお、暗証番号方式の施設ではチェックアウトの手続きは不要です。

チェックインのときと同様にタブレットで行います。案内にしたがってカードを挿入口に入れます。

チェックインの時と同様に顔写真の撮影を求められます。なんでも法令の要求だそうです。ふたたびパチリと撮影したらチェックアウトは完了です。

まとめ

今回宿泊したトレイルインは設備も充実しているので普通のホテルに泊まるのと変わらない感覚で利用できます。

さらに、トレーラーハウスならではのメリットもあるのでツーリングの宿泊先としては最適です。

リーズナブルな価格設定

これはトレイルインに限ってのことになりますが、1泊6,000円前後でこれだけ快適な宿泊先はそうそうありません。

メチャクチャ安いというわけではありませんが、同じ値段でホテルや旅館に泊まるなら次に述べるメリットがあるトレイルインの方が断然コスパが良いです。

部屋の前にバイクを停められる

ドアを開けたすぐそこにバイク。何かと便利です。

普通のホテルならバイクから荷物を下ろして、バッグとヘルメットを抱えながらチェックイン、その後で部屋に向かうことになります。

一方、トレイルインでは、到着したら管理棟前にバイクを停めてチェックイン、部屋の前までバイクを寄せてから荷下ろしできるので荷物を運ぶ距離が最小限で済みます。

さらに、部屋の目の前に停められる安心感は大きいです。盗難やイタズラの心配も軽減されるし、1日走ってきたバイクの汚れをふき取るなどの簡単なメンテが気軽にできるのが良いです。

設備が充実している

基本的な設備はビジネスホテルや旅館と変わりません。

各部屋が1棟ごとに分かれているのでプライバシーの面においてはむしろこちらの方が優れていると思います。廊下を歩く人の声や、隣室のシャワーやトイレの水音が聞こえてくるといったようなことは皆無です。

一部の施設で道路を走る車の音が漏れ聞こえてくるという書き込みを見かけましたが、その後に防音対策を取っているようです。

早朝出発しやすい

トレイルイン藤岡高崎は同じ敷地内にコンビニがあります。

旅館や民宿では早朝に出発する場合、前日に予告しておかなければなりません。鍵を置いて出て行っていい場合もありますが、宿の人に早起きさせて対応してもらわなければならないことも。

ホテルの場合でも、あんまり朝早くにチェックアウトするとフロントの人に驚かれたりすることがあります。

一方、トレイルインはセルフチェックアウトなので宿の人に気を遣う必要がありません。自分の好きな時間に出ていけるし、出ていくのを決めるタイミングも自由です。

「早起きできたら夜明け前に出て行こう」とか、そんな決め方もできます。

ドアの開け閉めは素早く

唯一の弱点は虫が入ってくることがあることです。

ドア1枚はさんだ向こうは外なのでこれは仕方ないのですが、あんまりたくさん部屋に入って来られるのは困ります。特に夜は光を求めて玄関の外灯に虫が集まっているので注意が必要です。ドアの開け閉めを素早くすることを心がけましょう。


いかがでしたでしょうか?まだあまり知られていないトレーラーハウスの宿ですが、ツーリングの宿泊先としては数多くのメリットがあります。

なんといっても部屋の目の前にバイクを停められるというのが最大の魅力です。また、キッチンや洗濯機など、設備も充実していて長期滞在にも最適。しかも、プライバシーがしっかり守られていて、ホテルや旅館に引けを取りません。

さらに、トレーラーハウスに泊まるという体験そのものも新鮮です。泊まりがけのツーリングを計画があるなら一度利用してみてはいかがでしょうか?

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