SSTR当日のスタートからゴールまでを体験談を交えて解説します。
エントリーから出走までの準備については「準備編」をご覧ください。
はじめてのSSTR完全ガイド ①準備編
完走後のレポートは「完走後」をご覧ください。
スタート前
スタート地点まで移動
5月27日、出走当日。3時過ぎに起床し、4時前には家を出ます。近所迷惑にならないように少し離れたところでエンジンをかけてからの出発です。
辺りはまだ暗いです。幹線道路は交通量は少ないものの、人や動物の飛び出しに注意が必要です。この時間帯はスピードを出す車も多いので後続車にも気をつけなければなりません。
30分ほど走ると東の空が白んできました。闇につつまれていた辺りがぼんやりと姿を現し、やがて周囲の景色が色づいてはっきりと見え始めます。
普段、こんなに早い時間に走ることはないので、夜が明けていく空のグラデーションの変化を楽しめるのもSSTRならではです。
午前4時40分、スタート地点の海岸に到着。ちょうどスタート地点の日の出時刻ですが、ルール上は「日の出時刻以降にスタート」すればよいので慌てる必要はありません。
エンジンを止めてスタート直前の準備に入ります。
スタート直前の準備
スタート直前の準備は次の2つです。
- 写真撮影
- スタート地点の登録
写真は何らかの不具合でSSTRシステムが使えなくなった場合、完走を証明するために撮っておきます。
海を背景にして車両とゼッケンがわかるような一枚と、ODDメーターの走行キロ数を撮っておきましょう。
もう一つはスタート地点の登録です。
SSTRシステムでスタート地点を登録した時点が出発時刻とみなされます。ゴール後に発行される「完走記録証」に公式タイムとして出てくるので、走り出す直前に登録する方がよいでしょう。
スタート地点と出発時刻は完走を証明する大事な情報。トップメニューの[送信履歴]できちんと登録されていることを確認してから出発しよう。
SSTR出走中
スタート (4:56)
エンジンをかけていよいよSSTRのスタートです。この時間、この場所から走り出した時点で、1つめの完走条件「日本海の反対側から日の出時刻以降にスタート」はクリアとなります。
最初の立ち寄りポイント獲得 (6:10)
ほどなく新東名に入り長篠設楽原パーキングエリアで軽い朝食。同時に最初の立ち寄り地点を登録して初のポイント獲得です。
SSTRシステムの操作は基本的にスタートのときと同じだよ。
その後、新城ICを降りてすぐの道の駅「もっくる新城」で2点、R257に入って道の駅「したら」で2点と着実に点数を稼ぎます。まだ早朝ですが、どちらの道の駅もSSTRのライダーでいっぱいでした。
指定の道の駅クリア (7:47)
指定道の駅「どんぐりの里 いなぶ」に到着。ここはもともと地元ライダーが多く集まる場所で混雑を予想しましたが意外とまばらです。
何はともあれ、完走条件の1つ「指定の道の駅の中から1か所以上に必ず立ち寄る」をクリアです。
立ち寄りポイント15点以上クリア (10:46)
この時点でに完走条件の半分を上回る8点。ここまで約100kmなので、単純計算だと20点以上は取れそうなペースです。
「立ち寄りポイントを15点以上獲得する」というこの条件、実は普通にゴールを目指していればそんなに難しくはないのかもしれません。
その後、「上矢作ラ・フォーレ福寿の里」「花街道付知」「加子母」で各2点を獲得。R257からR41に接続する時点ですでに14点に達してリーチとなりました。
次は「飛騨街道 なぎさ」。指定の道の駅です。日も高くなってきたこともあって地元ライダーも入り混じり、駐車場にはものすごい数のバイクが。まるでレッド〇ロンのようです。
3点を加算してこの時点で17点。完走条件の2つ目「立ち寄りポイントを15点以上獲得する」をクリアです。
ここまでのルートは以下の通り。「どんぐりの里 いなぶ」から約120km、スタート地点からは220kmです。
休憩 (12:00)
この時点で日の出からすでに220kmの走行。トイレ休憩を兼ねて小休止を取ってきましたが、さすがに少し疲れが見え始めます。そこでランチを兼ねて大休止できそうな場所を探します。
ランチを取って、少し仮眠したい。そんなことができる場所はただ一つ、スーパー銭湯です。検索すると、ここから30分ほど走ったところにある「飛騨高山 ひだまりの湯」が良さそうです。
1日のうち、最も暑くなるのは正午から2時すぎまでの時間帯。特に夏場は日照時間が長いので、暑い時間を避けてしっかりと休んだ方が得策。
お風呂は中途半端な時間なのでほぼ貸し切り状態でした。まずは汗を流してお食事処へ。お昼を食べたら仮眠室へ直行します。
1時間ほど横になったら心も体もスッキリです。もう少し仮眠を取りたかったけど、ゴールできないと元も子もないので14時には出発します。滞在時間は約2時間でした。
後半戦スタート (14:00)
残る完走条件は「千里浜なぎさドライブウェイに日の入り時刻までに到着」のただ一つ。
なにも日の入り時刻ギリギリを狙う必要はないので、高山から高岡までは高速道路を使って、降りた先の「万葉の里 高岡」に立ち寄り、残りは一般道でゴールまでの道のりを味わいながら走るというプランで行きます。
この辺りまで来ると、いたる所にSSTRの参加ライダーが走っています。
高速道路上は10台以上のバイクの車列がいくつも自然発生するほどで、たまに大集団の先頭になったりすると、なぜか緊張します(汗)
ゴールが近づくにつれ、バイクの数がどんどん増えてくるよ。それぞれペースが異なるから周囲の状況に気を配りながら運転してね。
ゴールへのアプローチ (15:30)
ペースが安定しない集団走行がつらくなってきたので砺波スマートICで離脱。ここで降りたのは、もう一つの道の駅「倶利伽羅・源平の郷」へのルートに切り替えることができたからです。
ゴールである千里浜なぎさドライブウェイへのアクセスルートは2つ。
一つは南からのアプローチで、「倶利伽羅・源平の郷」を経由して海沿いのルート。
もう一つは西からのアプローチで、「万葉の里 高岡」を経由して山側のルートです。
ひとしきり悩んで山側のルートに決めます。理由は、高速道路、国道、県道とアクセスルートが多彩で交通量が分散されると踏んだからです。
高速を降りてしまいましたが、このまま下道で「万葉の里 高岡」に向かいます。
最後の立ち寄りポイント (16:07)
最後の立ち寄りポイント「万葉の里 高岡」で3点を追加し、最終的に22点になりました。
いい感じで日も傾きかけてきて、あと1時間も走ればちょうど夕暮れの時間です。最後の区間はゴールまでの道のりを味わうため、あえて県道29号を使います。
ゴール地点の開場は14:00から。早いうちに到着してイベントを楽しむも良し、夕日をバックに画になるフィニッシュするのも良し、ゴールの仕方も人それぞれ。
ゴール地点
千里浜なぎさドライブウェイ到着 (17:05)
ゴールまであと約5km。もうこの辺から気分はウイニングランです。予想通り、西側からのアクセスは交通量も少なくて快適でした。
係員に誘導されながら、ゆっくりと千里浜なぎさドライブウェイへ進入。開けた海と傾きかけた太陽が視界一面に入ってきます。
何度か来ている場所ですが今回は格別です。フィニッシュゲートはここから6kmほど先ですが、沿道には記念写真を撮ったり、ゴールの雰囲気を楽しむライダーたちであふれています。
波打ち際の空いているスペースにバイクを寄せます。
海と夕日、そして前方にはフィニッシュゲートへ向かうライダーの隊列。なぜか嬉しくなって見知らぬライダー達に手を振ってみたりします。
何かを特別頑張ったわけでもないけど、不思議な達成感を得て、しばらくこの場の雰囲気を楽しみます。
フィニッシュゲート通過 (17:40)
いよいよフィニッシュゲートに向けて走り出します。車列は徐行ぐらいのスピードですが、ここまで来て追い越しをかけていくような野暮なライダーは一人もいません。
参加者全員、SSTRが終わってしまう名残惜しさを感じながらゆっくりとフィニッシュに向かっているようです。
両サイドにギャラリーの歓迎を受けながらフィニッシュゲートを通過。すぐにオフィシャルのカメラマンが近づいて記念写真を撮ってくれます。
SSTR2023完走 (18:38)
ゴール地点の登録が完了するとSSTRが正式に完走となります。ちょっとトラブルがあって遅れましたが、なんとか日の入り時刻の25分前に完走です。
SSTR2023を終えて
今回の行程をマップにすると全部で386km。SSTRにしては比較的短い方だと思います。
普段はソロで走っている私ですが、この日だけは1日中ゆる~いマスツーリングをしているような気分でした。
同じイベントに参加しているからといって、急にライダー同士が仲良くなるわけではないのですが、SSTRのゼッケンが貼ってあるだけで「お互いに頑張ろう」という気持ちがわいてきます。
会話をかわすこともないけど、目的も行先も一緒という連帯感が生まれていて、それはゴールが近づくにつれ、ライダーの姿が増えるにつれ、強くなっていくように感じました。
また、道中はいたるところで「ヤエー」の連続でした。たぶん、これまでのバイク歴で交わした「ヤエー」の回数を1日で上回ったのではないでしょうか。
「ヤエー」とはライダー同士がすれ違う時に手を上げて交わすあいさつのこと。昔は「ピースサイン」とも呼ばれていたよ。
そして、千里浜なぎさドライブウェイに到着したときに全国各地からやってライダーたちが互いに完走をたたえあう一体感は格別でした。
SSTR、バイク乗りなら一度は参加する価値があるイベントです。
目標や目的地がないツーリングはすぐに飽きてしまいますが、このイベントは丸一日楽しめる大きな目標とテーマを与えてくれます。
そして、ゴールした先には普段のツーリングでは味わえない特別な光景が待っていることでしょう。
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