磐梯吾妻スカイラインは福島市の西、高湯温泉から土湯峠までの約29kmの区間。ダイナミックな景観で知られる東北地方の代表的なツーリングスポットです。
磐梯吾妻スカイラインの見どころ
かつては有料の観光道路でしたが、東日本大震災後、観光復興のため2013年から無料開放されています。高湯温泉から駆け上がっていくと、中間点の浄土平付近で風景が一変します。
緑豊かな山道は標高が上がるにつれて岩肌が目立つようになり、標高1,500mまで登ってくると周囲に木が生えていない荒涼とした景色が広がります。
乾燥気候の地域にみられるような岩ばかりの平原はSNSで「日本のアリゾナ」と称されるほどです。しかし、ここにバイクを停めての記念撮影はご法度。
浄土平の手前約1kmあたりは、荒々しい岩肌の平原を直線道路が延びるハイライト区間ですが、この一帯は火山ガスが噴出しているため長時間の駐停車は危険なのです。
磐梯吾妻スカイラインは、道の変化にも富んでいるので走りも楽しめます。福島市方面からアクセスすると、序盤はタイトコーナーの連続でどんどん標高を上げていき、中間点に向かうにつれてコーナーは緩やかに。中間点を過ぎ、最高地点の標高1,622mを過ぎると下りのタイトコーナーの連続に変化します。
わずか29km、1時間にも満たない間に道も景色も目まぐるしく変化していくので飽きることがありません。
なお、この道は冬季は雪のため通行止めになります。例年、4月下旬ごろに開通し、開通直後には道路の両端に雪の壁がそびえる「雪の回廊」が現れます。
浄土平からプチ登山を楽しもう
磐梯吾妻スカイラインの中間点にあるのが浄土平。周囲を山に囲まれた湿地帯にあり、ビジターセンターを中心にトレッキングコースや登山道が整備されています。
ビジターセンターの目の前にそびえる吾妻小富士は標高1,707m。ビジターセンターの標高が1,600mなので約100mの道のりで登頂できます。
山頂アタックにかかる時間は約10分。登山道はすべて階段になっていて比較的登りやすいですが、一部、段の高さが不揃いな箇所があって、体力を削られます。
「10分間も階段を上るのか」と考えると少し躊躇しますが、これはれっきとした登山。そう考えれば、わずか10分で1,700m峰を登頂できるというのはかなりリーゾナブルです。(チート気味ではありますが)
登り切った先には直径約500mの火口が見えてきます。火口底までの高低差は約70m。活火山ですが、現在は目立った活動はないので見た目は大きな窪地です。また、火口の周囲を1周回ることもできます。ぐるりと回ると約1時間。あくまでツーリング中の登山なので、時間に余裕がある人向けです。
自然と良道の宝庫 裏磐梯
福島県北部の磐梯山の北側エリアは裏磐梯(うらばんだい)と呼ばれ、この東端に磐梯吾妻スカイラインが位置しています。裏磐梯で最も有名なのが五色沼。季節や時間によって湖面の色が様々な変化を見せるというスポットです。このほかにも自然散策を楽しめる場所が多くあります。
また、この一帯には磐梯山ゴールドライン、磐梯吾妻レークライン、西吾妻スカイバレーなどのツーリングスポットが集中しており、走りも存分に楽しめます。
ほどよくワインディングを楽しんだあとは、バイクを降りて自然の中で癒される時間を作ってみてはどうでしょうか。裏磐梯ならツーリング&トレッキングが存分に楽しめます。
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