ネギで食べる「ねぎそば」
福島県の観光名所、大内宿。ここの名物が「ねぎそば」です。
その名のとおりネギを使ったそばですが、注文すると生の長ネギが一本ついてきます。このネギは薬味でもあり、そばを食べるための道具でもあります。
長ネギ一本でそばを食べるという「食べ方」に特徴のあるめずらしい料理です。
「ねぎそば」は大内宿で食べられる
ねぎそばを食べられるのは福島県南会津の観光名所、大内宿。江戸時代にタイムスリップしたかのような景観で近年話題になっている旧宿場町です。
かつては会津若松と日光今市を結ぶ重要な宿場町として栄えましたが、昭和の時代には近代化の波が押し寄せてその景観も失われつつありました。
その後、住民による保護活動が進められ、現在では国選定の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
全長約450mの道の両側に50軒ほどの茅葺き屋根の建物が立ち並ぶ景色はまさに江戸時代の宿場町そのもの。毎年多くの観光客が訪れています。
今回、ねぎそばをいただいたのは三澤屋。共同駐車場から歩いていくとちょうど大内宿の入り口付近にあります。
「ねぎそば」を食べてみる
ネギで食べるというのが注目されがちですが、三澤屋のそばは地元の名物「高遠そば」が提供されています。
高遠そばは十割そばに鰹節をのせ、大根のおろし汁に醤油を合わせたもの。シンプルな構成ですが、大根おろしの辛味が食欲をそそる一品です。
早速ねぎそばを注文。一応、箸も付いてきますが、ここはネギで食べるのが作法です。とはいえ、ネギで食べる以外に特別なルールはなく、あとは薬味としてのネギの役割をどのタイミングではさんでいくかになります。
まずはネギの根元部分の曲がりを使って麺をすくってみます。ネギを麺の奥まで突っ込んでゆっくりと持ち上げると、意外に麺がついてきます。
しかし、箸のように口元まで運ぶのは難しく、持ち上げた麺を口で迎えに行きます。
まずは一口。しっかりとしたそばの味の後から辛味大根の辛味が。出汁のうまみより辛味が強い印象です。
序盤はこの調子で食べ進めていけるのですが、麺の量が減ってくると次第にすくいにくくなります。量が少なくなった分、麺が逃げてしまうのです。
そこで思いついたのが、根本の曲がり部分をかじって凹みを作り、そこに麺を引っかける作戦。
薬味がわりにネギをかじり、凹みを作ります。ところが、これが大失敗。凹みでネギが細くなった部分が麺の重さに負けて折れ曲がってしまう事態に。
凹み部分が汁を吸ってフニャフニャになってしまい、曲がり部分が機能しなくなりました。ひとまず茎のしっかりとした部分までネギを食べ進めます。
根本の曲がった部分を失い、後半はかなり苦戦を強いられましたが、器を持ってネギでかき込むことでなんとか完食。
このとき、生のネギを十数センチかじっているので口の中はネギの味でいっぱいです。また、大根の辛味が結構効いていて、そばの味がまったくわかりませんでした。
薬味としてネギを食べるペース配分にも失敗したようです。結局、食べる作業に集中しすぎて、そばを味わう余裕がありませんでした。
「ねぎそば」の上手な食べ方
はじめてのねぎそばは完全に失敗。そばを食べたというより、ネギを食べたような食後感になってしまいました。
この反省を生かし、ねぎそばを食べるコツを独自にまとめてみたのでこれから挑戦する方は参考にしてみてください。
- ネギの曲がり部分は大事に使う
- ネギは頭からかじる
- ネギは無理して全部食べなくてもよい
ネギの根元の曲がりは麺をすくうための生命線。最後まで大事に残しておく必要があります。そのためには薬味としてのネギは頭の青い部分をかじっていくのが良いでしょう。
また、ネギはあくまで薬味なので全部食べる必要はありません。食べすぎると口の中がネギの味しかしなくなって、せっかくのそばの味が楽しめなくなります。
最後に、ひとしきりネギで食べるのを楽しんだら途中から箸を使ってもいいかと思います。ねぎそばはどちらかというとイベント的な食事なので、その味を楽しむことを忘れがち。せっかく大内宿まで足を延ばしてきたのですから、名物の高遠そばとも向き合うのも一興かと思います。
いかがでしたか?大内宿周辺には他にも景勝地「塔のへつり」や猫駅長がいる「芦ノ牧温泉駅」なども。猪苗代湖や磐梯吾妻スカイラインも圏内なので、200kmほどの距離で丸一日ツーリングを楽しめるエリアになっています。
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