船旅ツーリングのすすめ 実践編

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前回の投稿では船旅ツーリングの魅力と主要な航路について紹介しました。

今回は実践編ということで実際に船旅メインのツーリングに出かけてみます。旅のプランニングから船内での過ごし方など参考になればうれしいです。

プランニング

今回は瀬戸内海を就航するフェリーを使って船旅ツーリングを楽しみます。

日本の本土内を就航するフェリーがたくさんあるのは前回ご紹介したとおり。中でも瀬戸内海はフェリーが発達していて、関西、四国、九州への往来が盛んです。

出発は大阪。そして、九州に上陸後、四国へわたり、ふたたび船で大阪に戻るというプランで行きます。

他にもいろんなプランも立てられそうでしたが、今回は船旅メインなので、あえてフェリー乗船が多い旅にします。

もちろん、ツーリングも楽しみます。結果的に九州と四国の両方を楽しむ欲張りな旅になりました。

ちなみに関西から九州方面へ向かう他のプランとしては、次のような旅も楽しめます。

  • 九州を周遊して、ふたたび同じ船で大阪に戻る
  • 九州上陸後、陸路で中国地方をめぐりながら大阪に戻る

大阪から九州へ(名門大洋フェリー)

まず、大阪南港から北九州の門司港に向かう名門大洋フェリーに乗船します。数ある関西~九州便の中でも最もコストパフォーマンスに優れている航路です。

名門大洋フェリー「フェリーきょうと」の船内

大阪南港到着

港までの経路は人それぞれなので、いきなり大阪南港から。

事前に近くのスーパーで晩ごはんと明日の朝ごはんを買ってから港へと向かいます。

船内にはレストランや売店もあるのですが、今回はフェリーにたくさん乗るので節約します。

待機所は屋根付きでターミナル直結

出航90分前に南港到着。ターミナル脇の入り口から入っていくと目の前に大きな船が見えてきます。係の人に誘導されてバイクの待機所へ。

出発日はあいにくの雨

乗船まで待機

待機時間はボーっとしているわけではありません。船中泊に備えてサブバッグに着替えや洗面用具を詰め替えます。

やがて「バイクの乗船を始めます」というアナウンスが流れます。バイクに戻り、待つこと約15分。ようやく係の人が来て乗船開始です。

乗船前に目的地が書かれた札を取り付けるよう指示される

まずは検札からですが、WEB予約なのでQRコードをスキャンしてもらうだけ。

ひと昔前はカウンターで乗船申込書を書いてチケットを発行してもらうという流れでしたが、ずいぶん手軽になりました。

ただし、紙の乗船証は発行されます。これには船内での部屋番号が書かれているので大事に保管しておきましょう。

  • 待機時間に船中泊の準備をしておく
  • チェックインはカウンターだったり、その場でQRコード読み取りだったり、会社によってさまざま

乗船開始

エンジンをかけて、いよいよ船の中に入っていきます。係の人が1台ずつ誘導していくので迷うことはありません。

船へとつながるブリッジと船内の車両甲板は鉄板で滑りやすいので、ゆっくり焦らず進みます。

車両甲板の風景

船内の指定場所まで案内されてバイクを降ります。すぐに係員がバイクを固定し始めるので、邪魔にならないように荷物を降ろします。

船中泊用のサブバッグとヘルメットに持って客室へ。このとき、忘れ物とキーの抜き忘れには注意です。車両甲板は航行中は立ち入り禁止になります。

客室へ向かうときも気が抜けません。大型船は車両甲板が複数の階に分かれていたりするので、どこにに停めたかを確認しておきます。

車両で視界が遮られるのでどこに停めたかわからなくなる

さらに、客室に向かうときは船内のどの辺りに出てきたかも確認します。車両甲板への入り口は複数あったりするので、下船時に間違った場所から下りると確実に迷います。

  • はしけや車両甲板は滑りやすいので注意
  • 忘れ物やキーの抜き忘れに注意
  • どこに停めたか、船内のどこに出てきたか覚えておく

船内での過ごし方

今回取ったのは「ファーストS」という鍵付きの個室。まず案内所でキーをもらってから部屋へと向かいます。

ちなみに鍵付きの部屋でない場合は、そのまま乗船証に書いてある場所に向かって行ってもかまいません。

鍵のない個室タイプの「ツーリストベッド」(別日撮影)

私の場合、乗船後すぐにお風呂に行きます。

ほとんどの場合、乗船直後から入港直前まで入れるので慌てることもないのですが、ピークタイムは洗い場が埋まるほど混み合うこともあるので空いている時間をねらいます。

ちなみに今回はシャワーで済ませました

空いているのは出航直前か深夜。出航直前は船内を散策したり、デッキから出航の瞬間を見届けようとする人が多いから。深夜は単純にみんな寝ているからです。

とはいえ、はじめての船旅なら、まず船内をいろいろと散策することをおすすめします。

特に出航の際はデッキに出て、港を出て行く瞬間を見守った方がいい思い出になります。

  • サービスカウンターで自分の部屋の場所を聞く(鍵付きの部屋はキーを受け取る)
  • お風呂が空いているのは出航直前か深夜
  • レストランは出航前から混雑することも
  • はじめての船旅なら、まずは船内を探検する

九州ツーリング

翌朝、定刻通り8:30に門司港に到着。天候はあいにくの雨で、しかも割と強く降っています。

到着してもまだ雨

早々に今夜の宿泊地である別府へと向かいます。

こんな日は無理に走らず、早めに宿に入るのが吉。おかげで温泉三昧の1日を過ごせました。

四国上陸(国道九四フェリー)

佐賀関港へ

翌日、午前中は九州で過ごして午後から四国へと渡ります。

佐賀関港に入港する国道九四フェリー

国道九四フェリーは大分県の佐賀関港から愛媛県の三崎港を結ぶ九州~四国の最短ルート。

名前に「国道」が付いているのは、運航する航路が国道197号の海上区間として正式に指定されているためです。

国道は陸路だけに限らず認定されるため、まさにここは海の上の国道。便数も1日16便と非常に多く、交通の要衝として機能しています。

船の前方が開いて、四国から渡って来たライダーが出てくる

航路は約13km。わずか90分の船旅ですが、九州から四国へとステージが大きく変わるので利用価値は高いです。

船中泊できる大型船とは違い、船内は観光船のような雰囲気。ほとんどがイス席になります。

ここで1つ心配なことがー

それは船酔いです。一般的に船は小さくなるほど揺れやすくなります。豊後水道は瀬戸内海と太平洋が交わる場所で、潮流の関係からときどき波が高くなるのです。

この日の波の高さは0.5~1.0mと穏やかな方でしたが、それでも場所によっては激しく揺れました。

四国の先端が目の前に見えてくる

ちなみに、船酔いの原因は視覚と平衡感覚のズレからくる脳の混乱です。

船の揺れによって三半規管が「動いている」と認識している一方で、視覚が「動いていない」と認識することで脳が混乱して、吐き気、冷や汗、めまいなどが発生します。

対策としては、遠くの水平線を見たり、揺れの少ない船体の中央付近で横になって目を閉じたりといったところです。

しかし、これは体質によるのでダメな人はどうやっても酔います。

  • 船が小さいほど揺れやすく酔いやすい
  • 船酔いの原因は視覚と平衡感覚のズレ
  • 対策は水平線を見たり、船の中央部で横になること

四国ツーリング

フェリーが到着するのは愛媛県の三崎という場所。佐多岬半島の先端付近にあります。

三崎港の風景

「日本一細長い半島」と呼ばれ、全長は約40km。半島を貫く国道197号線は「佐多岬メロディーライン」と呼ばれ、地元でも人気のツーリングスポットです。

半島の中間にある展望台からの風景

四国では宇和島を拠点に四万十~足摺岬~宇和海沿岸を周遊。海を感じるツーリングを楽しみました。

足摺岬は予想以上に遠かった

ふたたび大阪へ(オレンジフェリー)

東予港へ

四国上陸から3日目。午前中は四国カルストを巡り、午後からは大阪行きのフェリーのりばがある東予市を目指します。

四国カルストは四国山地の中央部に位置する

日没まで走りを目一杯楽しんで、夕食を取ったらほどよい時間に。日没後にウロウロするのも危ないので、早々に東予港を目指します。

チェックイン後、すぐに乗船させてもらえました

オレンジフェリーの特長は出航時刻の2時間前から乗船できること。

出航は22時ですが、20時から乗船の受付が始まります。

チェックインカウンターで発券を済ませてバイクに戻ると、すぐに案内してもらえました。

電波はつながりにくい

オレンジフェリーは全室個室。

かつてフェリーといえば大部屋に雑魚寝といったイメージがありましたが、時代の流れもあって今は各社とも個室化が進んでいます。

全室個室なので快適な船旅ができる

しかし、同じく時代の流れによって困ることもあります。それは電波がつながりにくいことです。

これはオレンジフェリーに限らず、すべてのフェリーに言えます。まあ、大きな鉄の箱の中にいるようなものなので、仕方ないことではあるのですが。

通路から1本入った先に各個室の入り口がある

航行中は電波が入りにくいし、停泊中でも船内中央部では入りにくい場合があります。

また、北海道航路のように陸地から離れて航行する場合、船内のどこに行っても電波が入らないという状況になることも。

名門大洋フェリーにはフリーWi-Fiがあるが…

こうして電波がない状態にいると、いかに普段スマホを見ている時間が多いかを思い知らされます。そして、同時にスマホがないと何にもやることがないことも痛感。

デジタルデトックスのつもりで乗船するのも一手ですが、海の上で退屈するのが嫌なら乗船前に何か準備しておく必要があります。

  • 船の中は電波が入りにくい
  • 退屈しないように事前にコンテンツをダウンロードしておく

大阪南港へ入港

大阪に昇る朝日を拝む

関西に向かうフェリーは、到着の1時間ほど前に明石海峡大橋の下を通過します。

到着時刻によっては早起きになりますが、はじめて乗る場合は見ておいて損はないでしょう。

明石海峡大橋をくぐると神戸・大阪は目前

特に夏の晴れた朝は海風も心地よくて、大きな橋が朝日に映えていい写真が撮れます。

橋を通過すると神戸、大阪の街並みが見えてきて船旅が終わりに近づきます。

午前6時、定刻どおりに到着。

下船許可が下りるまで部屋やデッキで時間をつぶします。また、車両甲板に降りてからもハッチが開くまでしばらく待たされます。

オレンジフェリーのロビーは解放感にあふれている

ただ、オレンジフェリーの場合は到着後2時間まで船内に滞在できるので、慌てて下船する必要はありません。

急ぐ旅でなければゆっくり下船してもよいでしょう。

  • 接岸後、下船の許可が下りるまでは船内で待機
  • 下船時の車両甲板は排気ガスで空気が悪い
  • ロープで固定されているバイクは係員がほどいてくれる
  • 到着後、船内滞在在できるフェリー会社もある

まとめ

以上、関西から九州、四国をめぐって、再び関西へ戻る船旅ツーリングでした。

関西の発着は夜行なので、翌朝の到着から日没まで現地ツーリングを目一杯楽しめました。

おまけに船中泊が2日あって、宿泊代を浮かせつつ移動できるのもよかったです。

九州から四国への移動は、最短かつ便数の多い国道九四フェリーが最強。渡った先にはメロディーラインがあって、下船後すぐに走りを楽しめます。

また、九州~四国間は他にもフェリー会社が複数あるのでアクセスは思いのほか柔軟です。

バイクにまたがって船から出ていくときは、何度経験していても気分が高まります。

愛車とともに海を渡るという経験がツーリングの「冒険感」高めてくれるからかもしれません。

たとえ1時間であっても、船旅を入れることで思い出深いツーリングになることは間違いなし。

普段のツーリングに特別感を感じなくなったときには船旅をしてみましょう。

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