今年も無事(?)梅雨入りして、ツーリングに出られない季節がやってきました。
雨の日は事故のリスクも高いし、バイクもひどく汚れるので乗らないに越したことはありません。
とはいえ、長期のツーリングに出かけていると多少の雨は避けられないときがあります。
そこで、今回は旅先で雨の日に楽しめるスポットをご紹介していきます。
今までにない図書館

石川県立図書館はその名のとおり石川県にある図書館。2022年の移転を機にリニューアルされた姿が話題を呼んでいます。

入ってまず驚くのが図書館らしからぬ解放感。地上1階から4階まで続く巨大な吹き抜けになっています。
その吹き抜けを囲むように本棚と座席が配置されていて、まるで円形劇場のような構造をしています。
この図書館の愛称は「百万石ビブリオバウム」。「図書」のイタリア語「ビブリオ」と、「木」のドイツ語「バウム」を組み合わせた造語です。
建物の構造が面白い

この図書館のメインは「グレートホール」と呼ばれている広大な吹き抜けの空間。
すり鉢状の空間を囲むように本棚が段々畑のように連なっていて、中に入ると周囲にうず高くそびえる本の数に圧倒されます。

ドーム型の天井は三角形のフレームがきれいに組み合わさって美しい幾何学模様を描いています。星空をイメージしたデザインだそうで、心なしか青い光が降りてきているようにも見えます。

2階部分には東西を結ぶ連絡橋があり、ここからの風景も面白いです。単なる通路ではなく、ちょっとした本棚とソファがあってゆっくりとくつろげそう。
また、「グレートホール」以外にも図書コーナーがあり、他にも研修室、多目的ホールなどがあります。

運用が面白い
石川県立図書館の面白さは建物だけではありません。今までの図書館にはない自由度の高い運用がされているのも特長です。
撮影OK

とても見栄えがする場所なので写真を撮りたくなるのは必然。でも、図書館でパシャパシャ撮るのはさすがにマズイのではと躊躇します。
しかし、そんな心配は不要。むしろ図書館が「記念撮影はお好きな場所でどうぞ」とうたっています。
もちろん、図書館という場所をわきまえて常識的な範囲でですが、気兼ねなく写真が撮れるのはいいですね。
まあ、禁止したところでこっそり撮影する人は出てくるでしょうし。
おしゃべりOK

「図書館は静かにする場所」というマインドセットが大半の人には刷り込まれています。
しかし、この図書館はおしゃべりOK。なんでも「本を通じた対話や交流を促進することで、より多くの学びの機会を得るため」だそう。
「迷惑にならない音量で」という条件付きですが、館内が騒がしいとか、話し声が気になるなんてことはありませんでした。
また、集中したい人のためにサイレントルームという場所が用意されています。ここでは従来の図書館と同様におしゃべりやキーボードの使用は禁止です。

本のならび

図書館の本棚は「文学」や「自然科学」などのジャンルごと分かれているだけですが、この図書館は一味違います。
ここでは12のテーマに基づいて厳選された書籍が並ぶ棚があります。たとえば「自分を表現する」や「好奇心を抱く」のように、テーマにそった本だけが集められているのです。

ジャンルではなく目的から探せるので、関心のあるテーマやその日の気分で面白い本が見つかりそうです。

また、全体的に本棚が低く、目線の位置にある本は平置きされているので手に取りやすいのが特長。「本との偶然の出会い」が見事に演出されています。
好きなイスを選べる

インテリアも見逃せません。館内各所に個性的なイスが配置されていて、中には世界的に有名なデザイナーズチェアも置いてあります。

イスが置かれている場所もさまざま。外の景色が見える解放感あふれる場所もあれば、まるで書斎のようなパーソナルな空間まであります。
しっくりくる場所を見つけて読書にふけるのも楽しそうです。

アクセス

石川県立図書館は金沢市街地の東南部にあります。人気観光地の兼六園からは約2kmの場所です。
ありがたいことに大型バイク優先の駐輪場が設けられているので停める場所に悩むことはありません。

入口のゲートはバイクでは反応しないため、エンジンを停めて手押しで横の歩道を通りましょう。
駐車券が発行されないので料金は無料(のはず)です。
ただ、屋根がないので雨の日は脱いだレインウェアを濡らさないよう工夫が必要です。
すぐ横に屋根付きの駐輪場もありますが、大型バイクを停めるには少しスペースが厳しそうです。
まとめ

まるでフィクションの世界に出てきそうな風景が楽しめる石川県立図書館。
造形を見に行くだけでも価値はありますが、せっかくならゆっくり読書をして過ごしたいものです。
ここはふた付のドリンクなら持ち込み可ですし、建物内にカフェも併設されているので半日以上は過ごせそうです。

しかも、ツーリング先で雨となればなおさら。
雨に濡れながら楽しめない旅を続けるぐらいなら、1か所に立ち止まってゆっくり過ごした方が快適です。
時間をかけて本を選び、お気に入りの場所を探すのも楽しいですし、何よりも旅先で読書をして過ごすというのはなかなか贅沢な時間だと思います。
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